
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
丁稚羊羹は、小豆のこしあんに小麦粉を混ぜて蒸し上げた、竹の皮に包まれた素朴な菓子である。海に面しない滋賀県・近江地方では、練り羊羹に用いる寒天が入手困難であったため、小麦粉をつなぎに使う工夫が生まれた。主に近江八幡地域を中心に製造され、手ごろな価格から帰省土産として広く親しまれてきた。通年食することができるが、特に丁稚奉公から帰郷する際の贈り物としての歴史を持つ。家庭や店舗によって竹の皮の包み方や蒸し時間に違いがあり、平成10年(1998年)には滋賀県選択無形民俗文化財「滋賀の食文化財」に選定され、現在も各地に製造販売店が存在する。
由来・歴史
「丁稚羊羹」の名称由来には諸説ある。近江八幡から奉公に出た丁稚たちが給金の少ない身でも購入できた安価な菓子であったこと、または帰省時に家で作った羊羹を奉公先の主人や番頭へお土産として持ち帰り喜ばれたことから名付けられたという説がある。また、菓子屋用語でこね合わせることを「でっちる」と呼ぶことから、小豆餡と小麦粉を練り合わせる工程に由来する説もある。丁稚は将来商人を目指して商家に奉公した少年たちであり、この羊羹は彼らの帰郷と深く結びついた菓子である。
食べ方
小豆のこし餡に小麦粉を混ぜよく練り合わせ、水で湿らせた竹の皮に包んで竹ひもでくくり、蒸し器で蒸す。蒸し上がったら熱いうちに軽く重石をかけて平らに仕上げる。竹の皮からほんのり香る香りと、もちもちとした触感が特徴である。通年食することができ、手ごろな価格から土産物として人気が高い。
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産地
滋賀県の名物

泥亀汁
ごまが泥、なすが亀の甲羅に見えるという遊び心ある命名。近江商人が夏の栄養補給として愛した滋賀県の伝統味噌汁。

えび豆
「エビのように腰が曲がるまでまめにくらせますように」という長寿への願いを込めた滋賀県の郷土料理。琵琶湖のスジエビと大豆を甘辛く煮込み、カルシウムとタンパクが豊富な保存食として親しまれている。

ふなずし
骨まで食べられる乳酸菌発酵の珍味。琵琶湖の子持ちニゴロブナを塩と米で長期熟成させ、正月の祝い膳や神社の神撰として古くから重宝されてきた。

丁字麩のからしあえ
6面を焼いた四角い麩「丁字麩」を使った滋賀の定番郷土料理。きゅうりと辛子酢味噌で和え、口当たりの良いさっぱりとした味わいが残暑の食欲不振に効果的である。

ビワマス刺身
「琵琶湖の宝石」と称されるビワマスは、海へ降りない一生淡水のサケ科魚。トロにも劣らぬ上質な脂が全身に乗り、地元では刺身で味わうのが定番である。

あめのいおご飯
「あめのいお」とは「雨の魚」——増水した河川を遡上するビワマスの別名である。秋の産卵期にしか味わえないこの幻の魚を丸ごと炊き込んだ滋賀県の名物料理で、大釜で炊いた後、魚の頭を振ると身と卵だけがぷるぷると落ちる独特の食べ方が特徴である。